蟻組み接ぎの加工終了写真

「蟻組接ぎ」は、無垢板同士を直角に接合する際に、強度が要求される場合に用いられる組手の一つです。
【留形隠し蟻組み接ぎ】に関する記事では、全て手加工で説明されています。今回も同様に、手加工でのやり方について説明します。
ボールペンやシャーペンだと精度が悪いため、白引き(白柿)を使用します。使い慣れていない方は、【白柿の使い方】で、検索してみてください。
使用する木材は、厚さ30㎜、幅300㎜、長さ500㎜のラワンの無垢板です。指物の検定では、このラワン材が使用されます。
硬すぎず柔らかすぎず、といった理由があるのでしょうか。
ラワン無垢板二枚
まず最初に、組手の内側となる面に、板の厚みより1㎜大きい31㎜で線を引きます。これは両方の板に対して行います。
線は薄くても構いませんが、太くならないように注意してください。
組手の厚み分を毛引きで出す
次に、蟻の基準となる線を毛引きで引いていきます。基準となる寸法は下図の通りです。
この寸法はどのようにして決めたかというと、蟻加工の寸法の出し方という記事で説明されていますので、そちらで確認下してください。
蟻の基準寸法図
下図のように、2枚の板を並べた状態で毛引きで線を引きます。
蟻の基準となる線ですので、正確に引く必要があります。
組手双方の表面に毛引き
全て出し終えました。
蟻組み基本線出し完了