サイコロ状の家具の全ての面に練り付けの天然木目ベニヤやポリ合板を貼る場合、全ての角をトメにしなければなりません。
軸傾斜する横切り盤を45度でセットしてサイズカットすると厚みが薄く反っているベニヤだと正確に切ることは出来ませんね。
おまけに下地となる箱が正確に直角で出来ていないかもしれません。
そんな時に現物合わせで貼りながらトメ加工する方法があるので説明しますね。
まず下地となる箱を作ります。大きさは500㎜角
箱下地組み立て前 
箱下地組み立て後 
貼り付けるベニヤを木取ります。厚みは約2.7㎜なので少し大きめに520㎜角にカットします。
ベニヤのカット方法は突板をセンターにする場合(下図A)つなぎ目をセンターにする場合(下図B)があります。
今回の場合Bのほうが見た目のバランスが良さそうです。

33-ベニヤカット方法 
ゴム系の接着剤と専用のガンで吹き付けていきます。
(詳細は、吹き付け用速乾ボンドで検索してください。コンプレッサー設備が無い場合はハケ塗り用でも大丈夫です)
下地面とベニヤ面、全体にムラ無く吹き付けます。
箱へ吹き付け 

吹きつけ2 5分ほど時間を置いて乾かします。(触ってみて接着剤が手に付かない程度)
貼る時に失敗しないように接着面に細い棒を置いてベニヤを乗せます。
ベニヤ貼り 
四方を振り分けで合わせたら棒を抜きながら貼っていきます。
ゴム系の接着剤は圧着が基本ですのでローラーを使って全体を強く押し付けてください。
ローラー 



一面を貼ったら、反対側の面も同じように貼ります。
1面貼り 
トメの部分を落としていきます。
使うのはトメ用ビット。トリマに装着し、ベニヤの厚み分で深さを合わせます。
トメ用ビット  トメ加工

そのまま加工すると角の部分が食われてしまうので直線定規を装着し、四方を落としていきます。
 
トメ上面 
反対面も同じように落とします。
トメ下面 
側面を上に向けたらカットしたベニヤ端材を置き、貼るベニヤを乗せてクランプで固定します。
側面あてベニヤ 
側面ベニヤ合わせ 
トリマにストレートビットと直線定規を装着し、側面が平らよりほんの少しだけ出っ張る位置で合わせます。
食い込む可能性があるので刃の深さはベニヤ厚ギリギリにしてください。
(画像はトリマ本体を消してあります)
トリマ状態 
トリマ状態2

耳落とし 
ベニヤを貼っていない面は同じ厚みの端材ベニヤをあてて落とします。
耳落としサイド 
耳落としサイド2 
四方を落としたら裏面を上にし、別の合板上に切り口と合板が平らになるように置いてクランプで固定します。
ベニヤトメ落とし 
ベニヤトメ落とし


深さをベニヤ厚に合わせ、落とします。四方同じ要領で落としてください。
ベニヤトメ落とし3 
ベニヤトメ落とし4 
貼る前に合わせてみます。もし大きいようならトリマの刃を少しだけ出して、もう一度落とし直します。
合わせ 
トメの部分に接着剤が付かないようにマスキングテープで養生して吹き付けます。
マスキングテープ養生 
側面吹きつけ 
ベニヤも同様にトメ部分をマスキングテープで養生して吹き付けます。
側面ベニヤ吹きつけ 
トメ部分に木工用ボンドを付けます。
ベニヤ接着剤 
失敗しないように棒を置いてベニヤを乗せます。
サイドベニヤ貼り 
45度にカットしたベニヤの端材を当てながら位置を合わせ貼っていきます。
サイドベニヤ貼り2 
はみ出た木工用ボンドを濡れたウエスで拭き取ってマスキングテープで押さえます。(1時間程度)
サイドベニヤ貼り3 
同じ工程で残った面も貼り付ければ完成です。
完成