今回は扉のついた簡単な家具の作り方について説明します。
設備のある木工所なら道具や工具があれば一日あれば作れてしまいます。
外寸はW1000 D400 H560㎜、かぶせ扉と巾木が付いています。
扉の付いた簡単な箱図面
断面詳細は下図のようになります。
箱詳細
まず最初に木取り表を書きます。木取りについて詳しくは、記事【材料の拾い出し】を参考にしてください。
内部は白なのでポリ板(2.5㎜)とランバーコア合板を仕上がり寸法より少し大きめに木取って、
速乾ボンドで貼ってから正確なサイズにカットする、という手順で進めます。

吹きつけ

ポリ板貼り
下図は最終的にカットする仕上がり寸法で書いてあります。
木取り表
カットが終わったら棚板用の打ち込みダボの位置を薄いベニヤに墨出しします。
ダボ位置
側板にクランプで固定してダボの位置全てに千枚通しで穴をあけます。
千枚通し
使うのは9㎜の打ち込みダボ。棚用ダボ

専用のキリを使って穴を開けていきます。ダボキリ     ダボ穴開け

打ち込みます。
ダボ打ち込み
組み立て前の状態です。
扉の付いた簡単な箱組み立て前
では組んでいきます。まずは側板から、使うビスはコーススレッドの41~51㎜
扉の付いた簡単な箱組み立て
背板を組みます。
扉の付いた簡単な箱バック組み立て
組み上がりました。
扉の付いた簡単な箱組み立て後
側板と天板に化粧ベニヤをトメで貼っていきます。
手順については前記事の【サイコロ状の箱を製作する】を参考にしてください。
箱ベニヤ貼り前
箱ベニヤ貼り後
木端にファンシーロールを貼りたいと思います。
まず、板厚で開口したベニヤを用意して下画像のように速乾を吹き付けていきます。
木端吹きつけ


ファンシーロールも吹き付けますが、飛ばされないように両端をマスキングテープなどで押さえてやりましょう。
ファンシーロール吹きつけ
箱の内側が平らになるように位置を合わせながら軽く貼っていきます。
コーナは下画像のように重ねておきます。
ファンシーロール貼り
45度の定規を使いカッターで重ねたところをトメに切り、外側は剥がして捨てます。ファンシーロールトメ

ローラーで圧着します。箱ローラー圧着

次に外側に飛び出た耳の部分をカットするための道具を作りたいと思います。
まず、硬い木材を下画像のように加工します。
耳取り製作
カッター刃の厚み分を削り取ります。
耳取り製作2
位置はこんな感じです。
耳取り製作3
カッター刃の部分が動かないように外側から紙のようなものを挟み込み、部材をビスで固定すれば完成です。
耳取り製作4
では耳の部分を切り取っていきます。
扉の付いた簡単な箱耳取り
板に貼ったペーパー(紙やすり)で角を仕上げます。
扉の付いた簡単な箱角仕上げ
次に扉を作ります。戸厚は20㎜なので、15㎜ランバーコア合板の両面に2.5㎜の化粧板を貼り、
W498×H499でカットして木端にファンシーロールを貼ります。
扉の付いた簡単な箱扉
丁番は表から見えないスライド丁番を使います。
35㎜カップ全かぶせキャッチ付き。穴の位置は側板の厚みで変わりますが、ここでは上下の離れを80㎜に、かぶせ位置を5㎜にします。
丁番カップ位置
35㎜カップ用のキリを使います。

ボール盤で正確な位置に穴を開けていきます。(深さは15㎜)
ボール盤加工
真っ直ぐな板を定規にして垂直にビスで固定します。
スライド丁番
正確な座金の位置を出したベニヤを用意して側板に千枚通しで穴をあけます。
箱座金位置
座金を止めます。
箱座金付け
扉を吊って。
扉吊り
調整して扉は完成です。
扉の付いた簡単な箱扉完成
棚板は白化粧板を両面に貼り、正面側だけを白テープで仕上げます。
トリマに10㎜のストレートビットを装着し深さを5㎜、位置を打ち込んだダボの寸法に合わせ、しゃくりを入れていきます。
棚板に棚ダボの溝加工をトリマーで行っている
棚板を乗せたところ。
棚板が箱に納まったところ60㎜幅の板を枠組みして横と正面に化粧板をトメにして貼った台輪を下からビスで固定します。
3~4㎜の鉄鋼キリで捨て穴を開けておくと作業が楽になります。
箱に台輪をビスで固定
扉付きの簡単な箱完成完成です。