扉と引き出しの付いた 簡単な箱

単品オーダー家具や店舗什器などを製作する場合、施工図には最低限の情報しか表記されてない場合が多いものです。
打ち合わせなどで仕様を確認するのはもちろんですが、作り方に関しては制作者が考えなければなりません。

大切なのは図面を見て各箇所の組み方や寸法的なもの、使う材料や工程をどれだけイメージできるか、そこが大切です。
何もイメージ出来ずに行き当たりばったり的なやり方だと、その都度考え込んだり失敗や間違えでかなりの時間を浪費して
遅く、汚く、不正確、という製造業にとっては最悪な結果になりかねません。
早く、綺麗に、正確に、を目標に持って日々の経験を糧にしたいものです。

実際に経験を積み重ねるのも大切ですが、このブログの製作例ではイメージ力を体験して欲しいと思っています。
まず図面を見て、自分ならどう作るだろうか・・・そこを考えてから記事を読むのもいいかもしれません。
それと、ここに書かれている施工例はこれが正解というものではありません。
他にもたくさんの製作手段はあります。
出来るだけ様々なやり方について説明したいと思っていますが、たくさんのイメージ体験や経験が今後の製作場面で
多くの選択肢として残されていくことを願っています。

では今回の製作例は引き出しと扉の付いた箱です。
図面は下図です。
見え掛かりはナラで内部は白という仕様で進めます。
引き出しと扉の付いた箱図面
各パーツはこんな感じ
箱パーツ
側板は内部が白で外がナラなので、ポリ化粧板とナラ練り付けベニヤを貼り分けます。
箱側板
扉厚みが20㎜、箱との隙間が3㎜、なので側板から23㎜離して棚口を組み、真ん中の位置で中仕切りを組み立てます。
箱組み立て
地板も23㎜引っ込めた位置で組み、後ろから背板を止めます。
箱組み立て2
組み上がりはこんな感じ
箱組み立て後
側面にナラのベニヤを貼り木端にナラのファンシーロールを貼って仕上げます。
天板も仕上げたら内部からビスで固定して本体は完成です。

箱本体完成次にスライドレールを取り付けます。位置は引き出しの真ん中辺り
スライドレール
引き出しの作り方ですが今回は三通り説明します。
片胴付でやる場合板厚が15㎜なので溝幅は5~6㎜、深さは7㎜程度が良いでしょう
引き出し製作例
ダボ組みの場合精度が求められます。ダボ系は6㎜が良いでしょう。
引き出し製作例2
打ち付けはピンタッカーなどで組みますが、強度が弱いので接着剤は必須です。
白ポリなどの場合木工用ボンドは効きません。
そんな場合は白い瞬間接着剤で組みます。硬化時間に若干の猶予があるのでお勧めします。引き出し組み立て


底板の厚みは大きさにもよりますが、最低でも4~5㎜は欲しいところです。
2.5㎜のポリ合板の場合は、裏に2.5㎜の捨てベニヤを貼り5㎜厚みにします。
溝のない前後の部分は白い瞬間接着剤をつけてタッカーで止めます。(この時、直角は必ず確認してください、菱形で組むと口板を止めたとき斜めになるので。)
引き出し底板固定
スライドレールの取り付け位置に毛引きをかけてビスで止めます。引き出しスライドレール取付

3段引横付スライドレール (完全スライド) 8400-12 【305mm】 左右1セット
スライドレールで引き出しを仕込む場合、気をつけなければならないのは間口サイズです。
カタログからレール寸法を調べて計算上で製作するのは一般的ですが、経験から言って組む前に現物合わせで確認したほうがいいと思います。
例えば側板が反っていたり、中仕切りの位置が微妙に前と後ろで違っていたりした場合、きついとか不具合が出たりします。
引き出し仕込み
扉と口板は縦目なので木目を合わて製作します。(一枚で作ってからカットするという方法もありますね)
口板と扉
次に手かけを掘り込みます。使うのは12㎜U字ビット。トリマに装着して定規の位置を合わせます。トリマU字ビット

Super U溝ビット 10×6 TR-47
口板の下部と扉の上部、深さは5㎜くらいにします。
トリマ手かけ
扉のスライド丁番はインセットを使います
上下を80㎜、側面から5㎜離した位置でカップ穴を掘り込みます。座金を側板に取り付け、はめ込みます。
丁番位置スライド丁番

TR03012 ダンパー内蔵/スライド丁番/ワンタッチ(インセット)2個セット
調整して扉は完成です。
箱扉調整
口板は引き出し内部からビスで止めたいので皿キリで捨て穴を開けて正確な位置を測りクランプで固定してビスで止めます。引き出し口板固定

スターエム 皿取錐 №58S3.5X10MM
仕込んで完成です。
扉や引き出しの隙間は2㎜程度が一般的です。
扉の丁番は調整可能ですが、引き出しの口板はスライドレールや口板のビスの止め位置で微調整しましょう。
引き出しと扉の付いた箱完成
最後にフラッシュ戸の作り方について説明します。
下地となる木枠を10㎜のステープルタッカーで組んで中に同じ厚みのハニカムコアを入れます。
木工用接着剤をローラーで塗り込みますが、この時注意すべきなのは両面同じ条件で作業しなければなりません。
ベニヤ側に塗るなら裏面も同じくベニヤ側に、下地側に塗った場合は、裏面も同じく下地側に塗ってください。
とにかく裏表、同じ条件にしなければ反ります。塗装するなら両面塗らなければなりません。
表面ナラベニヤで裏面ポリベニヤなんてやり方をすると失敗するので覚えておいてくださいね。
それと手かけの部分は無垢材を入れておくとU字ビットで掘り込んだ時にきれいに仕上がります。
プレス機で1時間ほど挟めばフラッシュは完成です。
扉の作り方手かけ下地

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA