上と下のアールが違う形状の家具の写真

上部と下部のRが同じ円柱状の形状を製作する場合、経験のある人ならそれほど難しくなく制作できると思います。
しかし、上部と下部のRが異なる場合は、製作が難しくなると思います。
例えば、以下の図面のような形状を作る場合、どのような手順で製作を進めるべきでしょうか? 上下のアールが違う什器家具の図面 NCルーターを導入している会社では、加工は簡単に行えるでしょう。
しかし、NCルーターに頼らずに加工する方法も覚えておくことが大切です。
今回は、この形状の作り方について、私ならこう作るだろうという方法をご紹介します。

最初に部材の寸法を把握する必要があります。
原寸図を描く方法もありますが、CADを使えば簡単に寸法を把握できます。
下図はCADで描いた側面図です。TOPはメラミン化粧板を貼る予定なので、1mm低くしてあります。
合板の木端は勾配に切り落とすため、それを考慮して材料を切り抜く必要があります。
この場合、下の合板は443R(四捨五入)の半丸形状、上の合板は588Rの半丸形状となります。 上下のアールが違う什器家具の側面図R形状に切り抜く方法については、アール材の切り抜き方 を参考にしてください。
天地の部材二枚が用意できました。 二枚のアール材の写真ルーター用の角度に合う刃物があれば良いのですが、ない場合はトリマーの傾斜するベースを使います。 目地払いビットを取り付け、76度で削り落とします。 傾斜ベースのトリマーで角の加工をしている写真ベアリングの位置は、ぎりぎりかかる位置に合わせます。
平らな面が若干残りますが、さほど影響はないでしょう。 傾斜ベースのトリマーで角の加工をしているところの拡大写真角度を確認します。 角度定規で角度を確認している写真