店舗什器などを制作していると、たまに出てくる【ひな壇】のような形状の陳列棚。
今回は、この段々になった形状の下地材の切り方について説明します。
CADを使えると細かい寸法を出すことが出来るので、覚えておくと便利です。
私はフリーソフトの【AR_CAD】というソフトを使っていますが、このソフト、解説本がありません。
フリーソフトで覚えたいという人は、たくさんの解説本が出ている【JW_CAD】がお勧めです。
下図がAR_CADで書いた細かい寸法図になります。

ひな壇図面


外寸にカットした合板に、この寸法図と同じ線を書いていきます。
線は端から端まで通して書きます。

斜めに切る為のガイド線を定規を使って書いている

直角に切る為のガイド線を定規を使って書いている

ひな壇形状を切り抜く為の線を書き終えた

後で残す所を間違えないように、斜線を書いておくと分かりやすいですね。

切り抜く部分を分かりやすくする為に残す部分に斜線を書いた

斜め線は木口の面にも墨を出しておきます。

横切り盤で切る為に必要な墨を木口にも書いている

横切り盤で切る為のガイド線の全てを木口にも書いた

横切り盤にベニヤ板をクランプで固定し、カットします。

ガイド線通りに切る為に横切り盤にベニヤ板を敷いてクランプで固定

墨を出した合板を置き、木口の墨をベニヤの切り口に合わせて切ります。

合板を横切り盤に置いて斜めに切る準備

木口に書いた墨を横切り盤の切り口に合わせている

横切り盤で合板を斜めに切っている

段の部分は途中で止めます。

ひな段の斜め部分を横切り盤で切り込んでいる

後は直角の切り込みを入れたら段形状は完成です。

ひな壇の段の部分を横切り盤で直角に切り込みを入れている

ひな壇の下地

これをベース材にして同じ物を複数作りますね。
同じ外寸で切った合板を重ねてクランプで挟みます。

馬の上にベースの合板を二枚重ね合わせてクランプで固定

ハンドルーターに目地払いビットを装着し、深さをベース材の木口に当たるようにセッティングします。
(ランバーは中芯が軟いので、そこにベアリングを合わせると凹んで切り口がガタガタになるので注意)

合板を切り抜く為の電子ルーターを用意

電子ルーターに目地払いビットを装着し、ベースとなる合板に深さを合わせる


セッティングしたら切り抜きます。それを繰り返して複数作ります。

ベースの合板をガイドにして目地払いビットを装着した電子ルーターで合板を切り抜く


目地払いビットを使って合板を切り抜き完了


ひな壇下地材4枚

後は横材を現物合わせでカットし、組み立てれば完成となります。

ひな壇を組み立てる前に縦材4枚をセッティング

切り合わせた正面用の合板を3か所組み立てた

ひな壇の完成

段々形状を切り抜く他の方法として「電気丸ノコを使うよ~」という方も居るかもしれませんが、
切り口が汚いのとセッティングが面倒、ゴミやほこりが出る、という理由で私は横切り盤を使います。
こういうやり方もあるんだ、という事で覚えておいてくださいね。

それではまた。