什器などを長年にわたって制作していると、さまざまな形状のものに遭遇します。例えば、下の図面のように、天板が斜めになっていて、そこに開口があるという頭が痛くなるようなパターンです。
勾配什器図面まず、この図面を見て、どう作ろうか考えてみてください。多くの人は、下画像のように、合板をくりぬく、という作り方を考えるのではないでしょうか。
合板に開口 斜めの穴
合板を切り抜いたところまでは良いですが、前後を勾配に落とすのは大変です。角度調整できるトリマーで定規をセッティングして落とそうかと考えただけでも嫌になります。こういう場合、私ならもっと簡単にやります。下の画像のように、パーツをバラバラに分けて、勾配は昇降盤や横切り盤で切ってから、合体させる方法で作ります。材料も端材などを使えるので経済的です。
パーツ分け


斜めのパーツパーツを組み立てる組む時は横材を通して組めば真っ直ぐになります。
横材を通して組む 順序は変えても良いですが、後は内側面と底板を組んでいけば良いだけです。
開口部組み立て
腰面と天板の組手は、天板勝ちにして組めば、繋ぎの部分も真っ直ぐになるので問題ありません。
天板勝ちで組む
最初に図面を見て、どう作るかと考えたとき、全ての工程を頭の中でシミュレーションできるかどうかが、制作スピードにかなり影響すると思います。
メラミンを貼った斜め什器数が多いものだと、製作スピードにかなり差がでます。
ぜひ今後の参考にしてみてください。
ではまた。

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