家具や什器、または造作関連で、パネルに点検口や点検用扉用の開口加工をする場合、パネルが木目だと、蓋の部分は木目を合わせなければなりません。開口と点検用蓋との隙間は、指定がなくてもできるだけ小さくしたいものです。今回は、その加工方法について説明します。
最初に、下地となる合板を開口します。
開口は昇降盤や横切り盤などで切り抜く事も可能ですが、パネルサイズが大きい物だと無理なので、ここでは違う方法で開口します。
まずは、開口寸法と同じサイズで切り抜いた型板を用意します。
四角く繰り抜いた合板型板をパネル裏面に位置を合わせてビスで固定します。
四角く繰り抜いた合板をランバーコア合板にビスで固定ハンドルーターに目地払いビットをつけて、パネルの表側から切り抜きます。(四隅は後でノミなどでピン角にしておきます。)
ハンドルーターに目地払いビットをつけて、合板を四角く繰り抜いている


繰り抜き部と目地払いビットの詳細
切り抜きが終わりました。
繰り抜き終えたランバーコア合板表面に木目のベニヤを速乾ボンドなどで貼り付け、裏返しにします。
繰り抜いた合板の片面に化粧ベニヤを貼った開口に沿ってあぜびき鋸で切り込みを入れます。
あぜびき鋸でベニヤを切る
後は普通の手鋸で正確に切り抜きます。
レザーソーでベニヤを切る
木目ベニヤの板厚が2.5㎜の場合は、カッターナイフで切り抜く事も可能です。
その場合、反対側に当て板をして切らなければ、ツキ板がまくれて汚くなるので注意が必要です。
カッターナイフでベニヤを切るベニヤの切り抜きが終わりました。
化粧ベニヤを切り抜いた切り抜いたベニヤとほぼ同じサイズの合板に速乾ボンドなどで貼り付けます。
切り抜いた化粧ベニヤを合板に貼り付ける
鉋や板に貼ったペーパーなどで、開口と蓋の小口を仕上げます。
小口をサンドペーパーで平らにする丁番やマグネットキャッチなどで仕込んだら完成です。
隙間が小さく、木目が通っているので、とても美しい仕上がりになります。
木目が通った点検口
ではまた。

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