家具や什器などを製作する際、電気工事の配線などが絡むため、箱の地板に点検口を設けるケースが多くあります。施工図に細かい寸法指示がある場合はそれに従う必要がありますが、特に指示がない場合は簡単な加工方法があります。箱の内部では白ポリ(白いポリ化粧板)を使用することが多いため、白ポリを貼った地板で説明します。
白ポリを貼った合板点検口の開口予定寸法より4㎜大きく開口した合板(厚み9㎜位の合板が理想)を用意し、位置を合わせてクランプで固定します。
白ポリを貼った合板に四角く繰り抜いた合板をクランプで固定開口部から内側に7㎜の線を引くため、7㎜に引き割った棒材を用意し、それを定規に墨を出します。
四角くボールペンで線を書くボールペンで四角く線を書いた10~15㎜位のドリルビットで線の内側、四隅にドリルで穴を開けます。
白ポリを貼った合板の四つ角に穴線に合わせてジグソーで切ります。
ジグソーの振動でクランプが緩むことがあるため、しっかり締め直してから作業を行います。
合板をジグソーで切る

合板をジグソーで四角く切り抜くトリマにテンプレットガイドを装着します。ビット径は6㎜
テンプレットガイドを装着したトリマー
トリマに負荷がかからないようにするため、欠き深さは5~7㎜程度が良いでしょう。深さを合わせたら、テンプレートガイドを型合板に沿わせて時計回りに切削します。一周したら、エアーガンなどでゴミを吹き飛ばし、もう一周すると、きれいで正確な加工ができます。
合板を2段じゃくり同じ開口穴が複数ある場合の注意点として、トリマを持つときの向きを変えてしまうと、開口寸法が若干変わってしまうことがあります。トリマの持ち手と体の向きを全て同じ条件で加工することで、開口が全て同じになり、蓋も全て同じサイズで作ることができます。
以上で、開口部の加工は終了です。
2段欠きした合板地板と同じ厚さの板を用意し、開口より少し小さくカットします。次に、段差に合わせて裏面に欠き加工を行います。サンドペーパーなどで四つ角を丸くし、上面角を軽く面取りしてから落とし込むと、点検口の完成です。
蓋となる合板を2段欠き加工白ポリを貼った蓋蓋をした点検口点検蓋を地板と同じ厚さにすることで、重さにより落とし込むだけで外れる心配がなくなります。ビスで固定する必要もないため、見た目も良くなります。ぜひ参考にしてみてください。

ではまた。

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