家具や什器の施工図には、外寸、内寸、板の厚み、角度などが記載されています。
しかし、化粧板やベニヤ板、下地の合板の厚みなどの詳細な寸法は、ほとんどの場合、記載されていません。
四角い箱の場合、計算により寸法を求めることができます。 しかし、変形した形状の場合、寸法や角度を求めるのは容易ではありません。
例えば、下の画像のような形状を考えてみましょう。真上から見ると三角形に見えますが、上面は斜めになっています。
底面を除く全ての面には、4㎜の化粧ベニヤを貼ります。また、全ての角はトメ貼りとなっています。 この制作には、原寸図を描く必要があります。 ベニヤ板に上から見た図(平面図)や側面図を実物の寸法で描き、それに従って制作します。
また、貼る化粧板の厚みや下地の合板などの寸法も描き出します。 今回は、フリーソフトのCADを使用して原寸図を描く方法についてご紹介します。
フリーソフトのCADと言えば、Jw_cadが有名ですね。 多機能で使いやすいソフトウェアですが、図面枠の拡大縮小ができないという制限があります。
この機能がないと、原寸での出力は難しいです。 そのため、今回は私が普段使用しているAR_cadというソフトウェアを利用します。 ダウンロードはこちらから。
cadを使用すれば、原寸図は平面図だけで良いので、その描き方から早速始めます。
ダウンロードが完了したら、AR_cadを開きます。 このソフトウェアの操作はそれほど難しくないので、この機会に覚えておくと便利でしょう。
初期状態では、グリッドとスナップはオンに設定されているはずです。 もしオフになっていたら、オンに切り替えてください。(下画像がオンの状態です) 短形ツールを左クリックして選択します。 ①の部分をクリックして寸法入力を有効にします。②に420を、③に520を入力します。 画面上のグリッド(点)の任意の位置にカーソルを合わせると、スナップ機能によりカーソルが吸い付くようになります。
その状態で左クリックを行うと、長方形が確定します。この長方形は、原寸を合わせる際に使用するガイド枠となります。 ①短形ツールのまま、 今度は、②に400と500で入力します。 先ほどと同じグリッド上で左クリックを行い、長方形を確定します。これが形状の外寸となります。 要素選択ツールを選択します。 内側の長方形を左クリックで選択した後、右クリックし、メニューから分解【線分化】を選択します。 これにより、辺や点が編集可能になります。
とても参考になる記事をいつもありがとうございます!
お聞きしたい事があるのですが、テレビボードやキッチンなどの大型の箱物で留めで組む場合の圧締の仕方でいい方法があれば教えて頂けないでしょうか。
よろしくお願い致します
いつもありがとうございます。
私は、ほとんどの場合、布のガムテープで固めます。(笑)
最初にトメ先がつくように、思い切り引っ張ってガムテープを貼り付けます。
後は内側に直角の材料をクランプで挟んで終了。といった感じでしょうか。
テープの貼り方については、記事【トメ加工と接着方法について】を参考にしてください。
他に、もう少し良い方法がありますが、文面ではうまく説明できないので、そのうち記事に上げますのでお待ちください。