曲面に合板を貼る場合、一般的には曲げ合板を使用しますが、手配する時間がない場合や部分的に曲げたい場合、直線部と曲面部の厚みがうまく合わない場合など、様々な状況があります。今回は、合板を部分的に曲げる方法について説明いたします。例えば、下画像のように直線からアールになっている形状に18㎜の合板を貼る場合、直線部はそのまま18㎜の合板を使用し、アール部は9㎜の曲げ合板を二層にする方法があります。しかし、今回は一枚の合板の裏面に切り込みを入れて曲げる方法でやってみます。アール材組み立て後まず、貼る板の幅を決めます。次に、横切り盤で切り込みを入れます。切り込みの深さは、芯材が少し残る程度にします。
横切り盤でランバーコア合板に鋸目 入れている同じピッチで切り込みを入れるため、目安となる墨を書いておきます。ピッチは、小さいアールの場合だと細かく、大きいアールの場合は荒くします(20㎜~60㎜くらい)。
切り込みピッの墨出し


曲げたい部分に合わせて切り込みを入れていきます。
合板に均等なピッチで鋸目を入れる接着剤をつけてタッカーなどで打ち付けていきます。

アール面に合板を貼る
簡単に貼ることができました。合板につなぎもないので、きれいに貼れます。ただし、アール面を手でなでると分かりますが、多少のガタガタが出ます。上から化粧ベニヤを貼る場合は問題ありませんが、メラミン化粧板を使用する場合は表面にガタガタが出てしまうため、サンドペーパーなどでならしてから貼る作業が必要になります。
アール面に合板を曲げて貼った角度のついた面の角が少しだけアールになっている場合も、曲げたい部分に切り込みを入れれば簡単に曲げる事ができます。
角だけアールになっている下地角だけアールになっている下地に合板を曲げて貼った
同じ方法で成型板を作ってみましょう。まず、型となる板に切り込みを入れた合板を短いピンタッカーなどで仮止めします。
曲げた合板の裏面内側の面に曲げベニヤを速乾ボンドなどで貼ります。
曲げた合板の裏面にベニヤを貼る曲げた合板の裏面にベニヤを貼った仮止めしていた型板を外せば成型板ができます。
速乾ボンドで貼ってあるので角度が多少変わるかもしれません。あまり精度を求めない時などにお勧めします。
簡易成型板
簡単に数例で説明しましたが、サイズが大きい物でも電動丸鋸で切り込みを入れることで同様に曲げることができます。ただし、切り込みが深すぎたり、合板の木目方向に切り込みを入れると折れてしまうので注意してください。深さとピッチは経験から学ぶしかありませんので、機会があればぜひチャレンジしてみてください。
ではまた。

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