
過去の記事を参考にして、簡単な椅子を作ってみたいと思います。
今回使う木材は、ホームセンターなどで手に入るホワイトウッドです。
製材されているので、長さを切ればそのまま使えます。
説明用画像では、節のない木目になっていますが、実際は節などが多数あります。
下図が図面になります。各部材には、番号をつけておくと、加工する時にかなり把握しやすくなります。

まずは脚となる部材の長さを切ります、サイズは以下になります。手鋸で長さを切る場合は【ほぞの手加工その1】を参考にしてください。

次に、側面上部の部材を用意します。両側をほぞで組むため、60㎜長くしてあります。図面に詳細が書かれていますが、ほぞ穴の深さは31.5㎜なので、少し余裕をみて、ほぞ長さを30㎜として計算しました。

前後の横材も、ほぞの長さ分を足して、60㎜長くしてあります。

脚にほぞの墨出しをします。ホワイトウッドは針葉樹で柔らかいので、框の厚さより1㎜小さく墨を出します。
そうすることで、ほぞがきつくなり、抜けなくなります。ほぞ穴の幅は18㎜にしました。




墨に合わせてほぞ穴を掘ります。角のみ盤を使う場合には【二方向ほぞ】を、鑿を使って掘る場合は、【ほぞの手加工その2】を参考にしてください。

次に、ほぞの墨を出します。胴付きは30㎜の位置に、ほぞの厚さは18㎜にします。
ほぞを手加工する場合は、【ほぞの手加工その3】を参考にしてください。
前面、背面の横材も同様に、ほぞ加工します。
前脚上部と後ろ脚上部は三方胴付きになります。ほぞ穴は18×30㎜で掘ってあるので、ほぞは18×31㎜で加工します。
【二方向ほぞ】でも説明しましたが、ほぞ同士があたってしまうので、先端をトメ(45°)にカットします。
ほぞの先端は、組みやすいように入り面を取っておきます。
組む前に、角は面を取っておきます。框同士を組んだ時に平らになる部分は、残しておきます。
ほぞ穴と、ほぞの両面に接着剤を塗って組みます。
直角を確認します。

前後の横材も組み立てます。椅子らしくなってきました。



45°にカットした補強材を作ります。


接着剤をつけて、ビスで止めます。

座面と背板になる板材を9枚用意します。厚み21㎜、幅80㎜の板を470㎜でカットして、角は面を取りました。
座板の後ろになる部分は、欠き加工をしておきます。
座板と背板を組んでしまうと、塗装が大変なので、組む前に塗ってしまいます。
ここではワトコオイルを使います。ワトコオイルはホームセンターでも売っています。刷毛で塗って、ウエスで拭きとるだけなので、とても簡単です。
座板と背板にビスで止めるための穴は、木栓を後で埋め込むので、径10㎜、深さ10㎜の穴を開けておきます。
位置を合わせながら、ビスて止めていきます。
止め終えたら、木栓用錐で作った木栓を、接着剤を塗って、埋めていきます。
これ、穴用の錐と木栓用の錐がセットになっているので、とても便利です。↓
サンドペーパーで平らに仕上げて、ワトコオイルを塗ったら完成です。
ホームセンターなどで簡単に手に入る木材や道具で、このような椅子を作ることも可能です。
興味のある方は、ぜひチャレンジしてみてください。
私が、実際に作った動画です、こちらも参考にしてください。簡単な椅子の作り方
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素晴らしい!
私の知りたかったことのすべてが、端的にまとめられていて非常に感激しました。
(とくに「ほぞが直角にぶつかる部分をどうするべきか」について説明されているのは、他で見たことがありません。)
勉強させていただき、ありがとうございました。
ありがとうございます!
この椅子については、実際に作った所を動画にしてありますので、そちらも参考にして下さい!
https://youtu.be/Uom04bNvMag