多くの店舗や施設には、カウンターがあります。
受付カウンター、景品カウンター、サービスカウンター、レジカウンターなどがあります。
今回は、病院関係などで一番多く見受けられる受付カウンターの製作例を説明します。
大きな曲面と両サイドに直線がある形状で図面を書いてみました。
両サイドの直線部は、現場ジョイントということになります。
カウンター側面図カウンター平面図


イメージ図はこんな感じです。
カウンター内側イメージ図カウンター外側イメージ図 断面図は、わざとよくありがち風に書きました。
直線部分は、この断面図通りでも製作可能ですが、曲線部はかなり困難で、手間がかかりそうです。
特に下の天板は、接地面が少なく、弱々しい感じがしますね。
断面図がそうなっていても、その通りに製作する必要はありません。
最終的に、イメージ図通りの形状になっていれば良いはずです。
より簡単で、楽に早く作れる方法に変更しましょう。
パーツを5つに分けて、作りやすく変更したのが下図です。
天板が2枚、腰が2台、巾木が1台、これを別々に作って結合するという手順になります。
カウンター製作、分割パーツ直線部分のA、Bをサイズカットし、縦ネダの位置を墨出しします。
ピッチは200~300㎜くらいで良いでしょう。
横材に縦材の位置墨を出す
曲線部分のA.B詳細寸法は下図のようになります。
切り出し方は記事【R材の切り出し】を参考にしてください。
アール部分の半径寸法カットが終わったら、直線部と同様に墨出しします。
曲線の場合は、間隔を少し狭めて、100~120㎜くらいで良いと思います。
アール材に縦材の位置墨を出す縦部材をカットしたら釘打ち機やビスで組んでいきます。
腰部組み立て
カウンターの腰部組み立て
カウンターの場合、ほぼ確実に電気配線が中を通るため、中ネダは間を開けておきます。
腰部配線用開口ジョイント面にも配線用の穴を開けます。
ホルソーで配線穴
腰部分(A.B)を組み終えました。
カウンター下地組み立て完了曲線部の巾木は、9~12㎜の曲げ合板を使います。
カウンター巾木の組み立て直線部分は、全てランバー合板で作ります。
カウンター巾木の組み立て完了ジョイント部分は、ボルトで繋ぎます。
曲線部分は一体製作なので、接着してしまいます。
ボルトジョイント直線部は現場ジョイントなのでバラしておきます。
カウンター腰部下地の合体天板製作については記事【R材の切り出し】【長さを繋ぐ】を参考にしてください。
中天板と上天板曲線部は、先に繋いでからメラミン化粧板を貼ります。
直線部とのジョイント面は、必ず仮ジョイントして目違いを取ってから、バラしてメラミン化粧板を貼ります。
中天板と上天板にメラミン化粧板を貼ったまずは曲線部の下天板から固定します。
中天板をビスで固定次に、上の腰(B)も固定します、ジョイント面は必ず平らになるようにします。
上部腰下地を積み重ねる直線部を、ボルトで繋ぎながら固定していきます。
繋ぎながら合体させていく外面に合板を貼るため、ジョイント部をバラします。
ボルトジョイント部をいったんバラす9㎜のラワン曲げ合板を使いますが、曲げ合板の呼び名とサイズは、下図のようになります。
曲げ合板のサイズと呼び名曲げ合板は、パネルソーで幅を決め、横切り丸ノコ盤などで直角に切ります。
木工用ボンドをつけながら、タッカーで止めていきます。
ここで直角が決まるため。ジョイント面と上部は必ず平らになるように止めていきます。
カウンター外面に曲げ合板を貼る
端から順番に上下を止めていきます。
曲げ合板をカウンター外面に貼る縦ネダの位置は、あらかじめ上部に墨出ししておくと、打つ時にとても楽になります。
直角定規などを使って、端から順番に打っていきます。
もしずれてきたら、クランプやハタガネなどで挟んで、上面を平らに合わせて止めるようにします。
パイプクランプを使い、上を平らに合わせて曲げ合板を貼る貼り終えたら、出っ張った部分を目地払いビットや鉋などで平らに削ります。
直線部も同じ要領で、9㎜合板を貼ります。
目地払いビットや鉋で曲げ合板を平らに削る裏返して、ジョイント面と内側を平らに合わせ、巾木を固定します。
カウンター巾木の固定ここで、再度ボルトで仮ジョイントします。
カウンターを再度、仮ジョイントジョイント部の目違い(段差)は、鉋やペーパーなどで平らにしておきます。
ジョイント部の段差を平らに削るジョイントをバラして、化粧板を貼る工程に入ります。
今回使うのはメラミン化粧板ですが、ポリ合板や練り付けベニヤなどを貼る場合でも、ほぼ同じ工程です。
曲面なので、カットするサイズは少し大きめ(20㎜くらい)にします。
ジョイント部を全てバラしたジョイント部とメラミン化粧板のつなぎ部には、木工用接着剤をつけたいので、マスキングテープで養生して、速乾ボンドを吹き付けていきます。
マスキングテープで養生して、速乾ボンドを吹き付ける
メラミン化粧板のつなぎ部は、ほんの少しだけペーパーなどで面を取っておきます。
両端をマスキングテープで養生し、速乾ボンドを吹き付けます。
メラミン化粧板の面の大きさイメージメラミン化粧板にも速乾ボンドを吹き付ける両端に木工用ボンドをつけ、細い棒を並べた上に置き、位置を合わせます。
メラミン化粧板のつなぎ部分に白ボンド棒を順番に抜きながら、ローラーで圧着していきます。
ジョイント部は当て板とクランプで挟みます。
メラミン化粧板をローラーで圧着
つなぎの部分中間は、クランプでは無理なので下画像のようにして、1~2時間挟んでおきます。
メラミン化粧板ジョイント部を板で押さえる巾木部分も同じ要領で貼り終えたら、目地払いビットなどで耳を落とし、板に貼ったペーパーなどで平らに仕上げて、外面は完了です。
メラミン化粧板を目地払いビットで平らに削って仕上げるジョイント面を平らに位置合わせして、曲線部の上天板を固定します。
上天板をビスで固定直線部をジョイントします。
天板直線部をジョイントする位置を合わせ、直線部の上天板を固定します。
上天板の直線部分をビスで固定内側の合板を貼る前に、配線用のひもを中に通しておきます。
配線用のひもを通しておくボルトジョイント部を、塞がない位置で、5㎜の曲げ合板を端から順に止めていきます。
内側に曲げベニヤを貼り始める
曲面下地が貼り終わりました。
内面に曲げ合板を貼り終えた次にポリ合板を吹きつけ、速乾ボンドで貼ります。まずは半分。
カウンター内側にポリ化粧板を貼る曲面のサイズを測るには、木取った時に出た端材を使います。
赤い矢印のように当て、切りたい位置に墨を出し、長さを測ってカットします。
ポリ化粧板の切る長さを測る同じ様に貼り付けて曲面は完了です。
カウンター内側にポリ化粧板を貼り終えた直線部分は、8㎜厚みにプライした板をカットし、現場貼り用の部材として用意します。
直線部分の部材天板下の仕切り板は、上下後ろの三方向をインロー加工します。
インローについては、記事【インロー】を参考にしてください。
仕切り板にインロー加工
インロー固定は、現場取り付け作業で行います。
位置を出して桟を固定します。
インロー用桟木を腰に止める接着剤をつけて差し込みます。
インローで中仕切り板を固定する以上でカウンター製作は終了です。
カウンター製作完了カウンター外面完成図
それでは、また。