前回に引き続き、木目の合わせ方について説明します。
扉が二枚で両サイドと上部がフィックスになっている家具に練り付けベニヤを貼ります。
扉の目地(隙間のこと)は全て2㎜です。
家具の扉の隙間(目地)こういった家具の木目を合わせるには、一枚のベニヤを切り抜かなければなりませんが、木工用機械の丸鋸は厚みが約3㎜弱あるため、それで切ってしまうと目地を2㎜にすることができません。
そういった場合は、手鋸で切り抜きます。
練り付けベニヤを貼るサイズに外寸を切ったら、内側の切り込みを入れる位置に正確な墨を出します。
シャペンなど、後で消せるものを使うと良いでしょう。
化粧ベニヤに墨出し化粧ベニヤの右側に書いた線化粧ベニヤの左側に書いた線墨が若干残る程度、気持ち内側を手鋸で切っていきます。
レザーソーなど、目の細かい鋸かお勧めです。


化粧ベニヤ左側をゼットソーでカット長手ラインは、あぜびき鋸で切り込みを入れてから、レザーソーで切っていくと簡単です。
化粧ベニヤ上部をあぜ引き鋸でカット化粧ベニヤ上部をゼットソーでカットベニヤの厚みが2.5㎜の場合、カッターナイフで切ることもできます。
定規の板をしっかり固定した状態で、何度も切り込むと貫通します。
切れ目幅がほとんど0㎜なので2.5㎜のベニヤの場合は、より良い方法かもしれません。
カッターナイフで化粧ベニヤをカット扉の召し合わせ部分も切ったら、切り抜きは完了です。
切り抜いた化粧ベニヤ箱へは速乾ボンドで貼ります。
墨通りの位置に正確に合わせて貼り付けます
箱正面に貼った化粧ベニヤ出っ張った部分は目地払いビットで平らに落とします。
目地払いビットで化粧ベニヤの淵を取る
扉は、仕上がり寸法に切った下地に貼り付けていきます。
左右は振り分けで良いですが、上下は木目を合わせなければならないので、
箱にベニヤを当てて、上から2㎜の位置に墨を出しておきます。
すき間位置を化粧ベニヤに書く書いた隙間位置墨に合わせて速乾ボンドで貼ります。
速乾ボンドで合板に貼った化粧ベニヤ目地払いビットで平らに落とします。
目地払いビットで平らに削る
小口に単板を貼って仕上げたら、仕込んで完成です。
木目を横方向に合わせた家具手鋸で墨に合わせて真っすぐに切る技術は、経験を積み重ねるしかありません。普段から機械に頼ってばかりではなく、ちょっとした物なら手鋸で切ってみるなど、そういった努力も必要です。
次回も、違うパターンで木目を合わせる方法を書きたいと思います。

ではまた。

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