上下のアールが変則な形状の写真

前回の記事では、上下のRが異なる曲面形状の製作方法についてご紹介しました。
左右対称の形状でしたが、今回はRのセンター位置がずれている形状の製作方法をご紹介します。

上下のRの半径は同じですが、下面のRのセンター位置が右に150㎜移動した形状になります。 上下のアールが変則な形状の図面まず最初に、材料を木取るための寸法を把握する必要があります。
腰面には5㎜の曲げベニヤを2枚とメラミン化粧板を貼るので、下地は11㎜逃げて製作する必要があります。
上面にもメラミン化粧板を貼るので、1㎜逃げます。それを基にCADで図面を描きました。
まず最初は天板の下地寸法です。
変則的な形状なので、平面から見ると、腰面に貼る材の寸法が左は12.3㎜、右が11㎜となります。
本来なら楕円になるはずですが、正円で描いてみると0.06㎜の誤差なので(赤い寸法)588R(四捨五入)で進めます。 上下のアールが変則な形状の天板詳細図地板も同じく描いてみました。これも誤差はわずかなので、438Rにします。
天板の木端は斜めに加工しますが、地板は斜めにせずに直角のままで組むことにします。(A詳細) 上下のアールが変則な形状の地板詳細図天地用の合板が用意できました。R材の切り抜き方については「アール材の切り抜き方」を参考にしてください。 二種類のアール材の写真天板の木端を斜めに加工するためのガイド用に4㎜のベニヤまたはMDFを両面テープやビスで貼り付けます。
今回はMDFを使用しています。これは後で剥がすので、接着剤は使用しません。 MDF材をビスで固定している写真目地払いビットで切り抜きます。 MDFを目地払いビットで丸く抜いている写真