木材合板や木材をアール形状を切り抜く方法は最近ではNCルーターで簡単に切り抜けますが、そういう設備のないところも多いでしょう。
今回は昔ながらのハンドルーター(電子ルーター)を使った作り方について説明します。
下図が平面図です
R材の切り出し図面
この平面図を実物の大きさでベニヤに書いていきます。
切り出し原寸
直角の書き方は 3対4対5で出します。
例えば下図のように③を600㎜ ④を800㎜ ⑤を1000㎜にすれば③と④の角は直角になります。
③が1200 ④が1600 ⑤が2000 といった具合に寸法を大きくすればより正確な直角が出せます。
直角の書き方
細く割ったベニヤを用意して直角の交差してる点に釘で打ち付けます。
原寸書き
外R(1500㎜)内R(1000㎜)の位置に千枚通しで穴を開けてボールペンなどで線を書いていきます。
R材の切り出しR線
右側角の200Rも同じ手順で書いていきます。
小さいR線
次に下画像のような板を用意してハンドルーターを固定してストレートビットで貫通させます。
この時、外R用(黒い矢印)内R用(赤い矢印)に墨を出しておきます。R材の切り出しハンドルーター

Rのセンターに使うための金物を用意します。
ビスや釘だと厚い板をくりぬく時には弱くて不安定なので、しっかりと固定できるものがいいでしょう。
下画像はドア用の戸当りの上の部分をカットしたものです。センター用金物

 


センター用金物と同じ径の穴を黒い矢印のところから1500㎜の位置に。赤い矢印のところから1000㎜の位置にそれぞれ開けます。
センター穴
くりぬく板厚より少し薄い合板を床に固定して、そこにセンター用金物を固定して外R用穴にはめます。

抜いた時に無駄が出ないように位置を決めて合板を固定します。
板厚が厚い時は深さを何度かに分けて切削するといいでしょう。


次に内R。
床を傷つけたくない場合は底面を少し残して後で目地払いビットで落とすという方法もあります。


抜いた板をRの線に合わせて原寸ベニヤの上に置きます。
原寸合わせ
原寸に合わせてカットする位置を墨出ししていきます。
小口に出したら墨に合わせて上面にも出します。原寸合わせ墨出し

墨出し完了
カットするための丸ノコ用の定規を作ります。
下画像のようにベニヤと合板を接着し、丸ノコでカットします。
丸ノコ定規
墨出しした位置に合わせて定規をクランプで固定し、切っていきます。
(電動丸ノコは大変危険です。使う際は工場責任者の指示に従って行ってください。)丸ノコカット

小さいほうのRは別の方法でやります。
ルーターマシンにストレートビットを付けて、合板の200Rの位置に釘で固定して抜いていきます。
(ルーターマシン加工は大変危険です。行う場合は工場責任者の指示に従ってください。)ルーター加工

R型
抜いた板を落とす位置に合わせてクランプで固定します。
R材の切り出しR加工
ルーター用の目地払いビットで切削していきます。

以上で切り抜きは終了です。
下地なので最終的には、これに練り付けベニヤや化粧板等を貼って仕上げます。R材の切り出し完成

ではまた