前回の記事では、成型合板のアールが伸びてしまった時の修正方法について説明しました。
今回は、この成型合板の切り回し方法について説明します。
切り回す前の成型合板アール形状の成型合板を切り回す際に最も注意するべきことは、ねじれです。
下の画像のように、ねじれが生じると、対処が困難な状況に陥る可能性があります。
成型合板がねじれてしまっているねじれを防ぐために、成型合板を切り回す際には、成型合板をプレスする際に使用した型を使用します。
以前の記事【成型合板の作り方】でも説明しましたが、型を作る際の注意点として、
曲げ合板を貼る際に側面は平らに、長さ面の角は合わせて貼る。と説明しました。
型の側面は曲げ合板を平らに貼る 型の曲げ合板の長さ部分は角を合わせて貼るこのように作成した型は、ねじれがなく正確な型です。そのため、この型を基準にして成型合板を切り回していきます。
まず、成型合板を型の上に置きます。
側面を5㎜ほど外側に出して、型に密着するように置いて下さい。
型の上に成型合板を置く動かないように、ビスで固定します。
成形合板を型にビスで固定トリマーに目地払いビットを装着し、型に貼った曲げ合板に沿うように深さを合わせ、
平らに削り取っていきます。
これが基準となる面になります。
成形合板の側面をトリマーを使って平らに落とす目地払いビットとベアリングの位置拡大

型を使って平らに削った成形合板 切り回しには横切り盤を使います。
横切り盤をセッティングまず、横切り盤の定規を少し広めにセッティングし、トリマーで削った面を定規側に合わせ、幅をカットします。
成形板の幅を少し大きめにカット、正面から見たところ 成形板の幅を少し広めにカット、横から見たところ危険なので先取りしてもらうと良いでしょう。
成型合板の幅決めで先取りしている横切り盤の定規の寸法を合わせ、トリマーで削った面側をカットすると、幅決めが完了します。
成型合板の幅決め 幅をカットした成型合板

カットしたい大きさを書いた現寸図を用意します。これは前回の記事で用意したものを使います。

現寸図現寸図の上に、幅をカットした時に出た切れ端を置きます。
現寸図の上に成型合板の切れ端を合わせる切りたい位置の前後に墨を出します。
手前側のカットする位置に墨を引く 手前側の墨 内側の墨切る際に角度を合わせる目安となるため、上面にも線を引いておきます。
切れ端の上面にも墨を引く 切れ端に墨付け完了横切り盤の上に置いたランバーコア合板の位置を左右に調整して、角度を合わせます。
成型合板の切れ端を切る角度合わせ位置を合わせたら、ランバーコアを動かないようにクランプで固定し、切れ端を墨に合わせてカットします。
横切り盤で切れ端をカット両方カットしたら現寸に合わせて、確認します。
カットした切れ端を現寸図に合わせる問題無ければ、成型合板を切ります。まずは片側だけ。
成型合板の片側をカット 成型合板の片側を切り終えた切った成型合板に切れ端を合わせて、長さの墨を引きます。
反対面にも同じように引いておきます。
切れ端を成型合板に合わせる 切れ端を成型合板に合わせて墨を引くランバーコアの下にベニヤを敷いて、切っておきます。
横切り盤にベニヤを敷いてカットしておくベニヤの切り口に成型合板の墨を合わせます。まずは手前側
横切り盤の手前側に成型合板を合わせる次に奥側も合わせます。
横切り盤の億側に成型合板を合わせる位置を合わせたらカットします。
位置を合わせて成型合板を横切り盤でカット最後に現寸に合わせてみましょう。
成型合板を現寸図に合わせる問題がなければ、これで成型合板の切り回しは完了です。
成型合板の切り回し完了

次の記事では、この成型合板にメラミン化粧板を貼り、扉として仕込む方法を説明します。

それでは、また
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