前回の記事【成型合板の作り方】では、型を作る方法からプレスして成型合板を作る所までを説明しました。
今回は、作った成型合板のアール(半径)が少し伸びてしまった時の対処方法について説明したいと思います。
アール(半径)を確認する為の現寸を書きます。画像のように、ベニヤと釘があれば簡単に書くことができます。
今回は400Rなので、ベニヤに400㎜の墨を出し、穴を開けて書いています。
成型合板を合わせてみると、現寸に、合っていない事がわかります。
これを修正していきます。
まず最初に、横切り盤で切り込みを入れます。その際、厚めの合板などをクランプで固定して、アール形状を安定させます。
丸鋸の出を成型合板の厚みの半分くらいに合わせて、切り込みを入れます。
切り込みを入れる箇所は伸びの程度にもよりますが、今回は3か所にしました。
アールの伸びが大きい時は切り込みをもっと増やします。
次に昇降盤の鋸の角度を3度くらいに合わせます。
成型合板に入れた切り込みの幅に合わせて、無垢材を割ります。
少しテーパーになったクサビのような断面になりますね。
切り込みに差し込んでみて、少しきついくらいに幅を調整します。
無垢材がクサビ形状になっているので接着剤をつけて打ち込むと、開いていきます。
現寸の上でやると修正されていく状況が見られますね。
打ち込みを加減しながら他の箇所も修正していきます。
現寸に合わせると、ほぼ修正されたのがわかります。
後は出っ張った無垢材を鉋で削ったら修正は終了です。
アールの伸びがもっと大きい場合は、成型合板に入れる切り込みの箇所を増やし、
クサビ形状の無垢材サイズも、少し厚くして調整します。以上で成型合板の修正方法の説明は終わります。
次の記事では、この成型合板を切り回す方法について説明したいと思います。
それでは、また。
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