前回は、かんなの裏金の調節方法について説明しました。
今回は、立ち鉋(台直し鉋)を使用して、鉋台を仕上げ鉋用に調整する方法について説明します。
立ち鉋は、刃先角が約35°で一枚刃ですので、仕込み方は平鉋より簡単です。
仕込みについては、【鉋刃の仕込み】を参考にしてください。
刃口の調整を行います。
仕上げ鉋は刃口が約0.3㎜(コピー用紙1枚分くらい)です。
鉋断面
鉋くずの厚さと刃口
下の動画のように、直角の定規を落としたい位置にセットし、のみで切り込みを入れます。
ノミで鉋の刃口調整
そして削り取っていきます。
鉋の刃口調整


穂(鉋刃)を、刃口から2㎜くらい引っ込むところまで叩き入れます(立ち鉋で削るので、刃は絶対に出さないように)。
かんな刃を出す
裏金も、刃先手前まで叩き入れます。
(穂も裏金も入れない状態で台を調整すると、穂と裏金を入れた時に狂いが生じる可能性がありますので、必ず入れた状態で調整するようにしてください。)
鉋の裏金叩き入れる
鉋台は、樫の木で作られています。
樫はかなり硬い木材ですので、繊維に対して直角に削ると、抵抗が少なく、容易に削ることが出来ます。
仕上げ鉋の調整は、下図の通りになります。
仕上げ用鉋の調整図
真っ直ぐな定規を用意して、レベルを見ながら削っていきます。下端定規

断面を見る限り、簡単に出来そうですが、やってみると意外と大変で、捻れを取るのにかなり苦労します。鉋台直し


遠回りしてやってみるのも手ですが、もっと簡単な方法があります。
それは、一度真っ平らに削り込んで、必要のない部分を削り取っていく方法です。
平らに落とす方法は、高い部分を落としていくだけです。
何度も定規で確認しながら、高い部分を削っていきましょう。
定規のあて位置は、下図の通りです。
鉋台定規位置
後は、必要のない部分を削り落として完成です。仕上げ用調整図

それでは、また。

次の記事 【かんなをかける方向】

前の記事 【かんなの裏金を調節する】