ワゴンのような形状の家具を木材框組みで作る場合、ほぞを二方向に立てなければなりません。
今回はそういった場合の加工方法について説明します。
使う框は全て50㎜角で、D(奥行き)=600㎜ W(幅)=600㎜ H(高さ)1000㎜のワゴンのような形状を作る場合の加工例を説明します。
4本の縦框を1000㎜ 8本の横框を600㎜でカットしたら、まず縦框二面にほぞの位置をけ引きで出します。
下部のほぞは100㎜離れているので、長いけ引きか、スコヤで墨出しします。け引き

角ノミ盤に12~15㎜の刃を装着し深さを33㎜で合わせます。

ほぞ幅は框幅の1/3が目安なので、ここでは16㎜で穴開けしたいと思います。
角ノミの盤面を前後調整して下画像のように両側から掘って16㎜になるように調整して掘り込んでいきます。
最初は上部
角鑿穴あけ
両面から掘り込むと、ほぞ穴の位置が正確にセンターとなり、組んだ時のねじれや段差が少なくなります。
下画像は下部の掘りこみ角鑿下部穴

4本の縦框の二方向に同じ穴を開け、ほぞ穴加工は完了です。

穴の深さを33㎜にしたので、ほぞ穴部の断面は下画像のようになります。(断面を見せるためにカットしてあります。)
ほぞ断面
上下それぞれ四本ずつ、胴付き位置を50㎜にして横框にほぞの加工を施します。
(ほぞ加工については記事【ほぞ】で説明してありますので記事を参考にしてください)
ほぞ同士が当たらないようにトメ(45度)でカットします。

接着剤の逃げ場がないと組んだ時に胴付きがすいてしまいます。
下画像のように1~2㎜程度 隙間分逃げてカットします。
最後にほぞ先の角を面取りしてほぞ加工は完了です。
ほぞトメ切り
木工用ボンドをほぞと穴、両側に塗って組み立てていきます。
のり付け


はみ出た接着剤はきれいな水とブラシやウエスで手早く拭き取ります。
二方向ほぞ組み立て
パイプクランプ等で一気に組み上げます。二方向ほぞ組み立て2

直角に切ったベニヤやスコヤで直角(かねて)を確認します。
かねて確認

接着剤が乾いたら仕上げて完成です。

 ではまた。