鑿(ノミ)には色々な種類がありますが、ここでは一番多く使われる追入鑿(おいいれのみ)の研ぎ方について説明します。
新品の鑿は、裏面が完全に平らではありません。
裏面を平らに研ぎ出す、裏押し(裏出し)という作業が必要になります。
追入鑿、追い入れ鑿


用意するものは、金盤 金剛砂 木の棒

金剛砂と金盤金盤、金剛砂については記事【金盤 金剛砂】を参照してください。
金盤の上に金剛砂をひとつまみ程度出し、水を2~3滴たらします。
(金剛砂のフタの部分に小さな穴を開けておくと適量出す時に便利です。使い終わったらマスキングテープなどで穴をふさいでおいてください。水分が入ると固まるので注意してください。)
金剛砂と金盤2棒とのみを重ねて握り、金盤全体に軽くのばすように金剛砂と水を広げてから刃先の辺りに重心をかける感じで金盤全体を使い、力強く研いでいきます。
裏押し動画続けると乾いてくるので水を2~3滴追加しながら荒研ぎします。
裏面を見て、刃先部分が平らになるまで金剛砂と水を追加して繰り返し、黒くなっている部分があれば無くなるまで研ぎ出します。
のみ裏面、未完のみ裏面平ら
平らになったら今度は金剛砂は使わずに、水だけを追加し擦ります。
摩擦で乾いてきますが、更にそこから20~30回程度空擦りします。
それを二回ほど繰り返すと、少し艶が出てきます。
ノミの裏押し動画
最終仕上げは、金盤とノミをウエスでキレイに拭き取ります。
金盤をウエスで拭く ノミの裏面をウエスで拭く
水だけを垂らして、擦り続けてください。
金盤に水をたらす
摩擦で乾いてきますが、そのまま20~30回押し続けます。
裏押し仕上げ動画
何度か繰り返すと、つやが出てきます。
顔が映り込むようになったら終了です。
のみ裏面3
幅の狭いのみは、棒は使わずに直接手で研いでください。
最近では、セラミックやダイヤモンド砥石というものもあります。
細かい番手のものもありますので、代用も可能かもしれません。

それでは、また
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