扇形の内側に引き出しのついた箱の写真

扇形の箱に引き出しをつけた家具や什器の制作依頼がたまにあります。 簡単そうに見えますが、実際には難しい箇所が多いです。 経験があれば作れますが、初心者には大変かもしれません。
扇形の内側に抽斗のついた箱の写真
引き出しの前面の板は、型に合わせて曲げた合板を作らないといけません。 スライドレールを使うので、引き出しも箱も正確に作る必要があります。 内アール側に引き出しが付いているパターンと外アール側に引き出しが付いているパターンがあります。 内アール側に引き出しがついている家具の図面 外アール側に引き出しがついている家具の図面1回目は、扇形の内R側に引き出しが付いている箱の作り方、2回目は、扇形の外R側に引き出しが付いている箱の作り方、3回目は、扇形の箱に納める引き出しの作り方、と題して、3回の記事でそれぞれ紹介します。

それでは、扇形の内R側に引き出しが付いている箱の制作方法から始めます。

NCルーターを導入している会社なら、アール形状の部材取りは簡単にできますが、電動ルーターで切り抜く場合は手間がかかります。
電動ルーターで形状を形状を切り抜く場合は、記事【アール材の切り抜き方】を参考にしてください。 切り抜いたアール形状の合板の写真アール形状の部材を切り出すときは、Cadを使うと便利です。
CadのデータをDXF形式に変換すれば、フリーソフトでも開くことができますので、覚えておくと良いですね。

例えば、下図のように、中心線からの寸法をCadで取得すれば、カットする位置に印を付けることができます。原寸を書く必要はありません。 カットする位置を出す方法の説明図中心線を書くとき、私は下図のようにしています。(他にもっと良い方法があるかもしれません)

最初に、外Rの中央あたりに印をつけます。そこから、適当な寸法(図の1の部分)で左右対称に印をつけます。 その印から、適当な寸法(図2の部分)で左右対称に印をつけます。最初の点と2が交わった点を結べば中心線となります。 中心線を書く方法を説明した図アール材の切り抜き寸法です。基準は天板が0㎜ラインで、各部材、そこからマイナス寸法で切り抜いてあります。
アール材の切り抜き寸法を記した写真