木材無垢板同士を組む時に釘やビスは使いたくない。更に強度が欲しい。そんな場合の木工組手に【留形隠し蟻組み接ぎ】という組手があります。
今回はまったく機械は使わずに手加工での手順で説明します。
使うのは厚み30㎜幅300㎜長さ400㎜のラワン無垢板。
最初に組手となる部分に板厚と同じ30㎜で毛引きをかけておきます。
毛引きをかけた面を外側に向けて抱き合わせでクランプではさみます。
基本となる墨出し位置が下図のようになります。
寸法をあわせて三面に毛引きをかけていきます。
下画像のように30㎜のところからはみ出さないようにします。
順にあわせて全ての毛引きがかけ終わりました。
アリの角度は76度にしたいと思います。
角度定規を合わせたら要らない板に墨を出します。
自由スコヤで角度を合わせます。
白引きで線をひいていきます、まずは木口から。
図面をよく見ながら方向を間違えないように注意しながら作業します。
毛引きの位置に合わせて線を出していきます。
木口面が終わりました。
対面の表面側はアリを少しだけ大きくしたいので、下図のように0.2㎜くらい外側に白引きで線をひきます。
アリの先端をスコヤで木口に線をひきます。
トメとなる部分の5㎜の位置に毛引きをかけます。
反対側にも同じように毛引きをかけます。
以上で墨出しは完了です。
次に切り取ってしまう部分に鋸目を入れます。
墨通りには切れないと思うのでほんの少しだけずらした位置で切れ目を入れます。
墨から少し離した位置に直角にノミを叩き入れます。
下画像のように斜めにノミを入れて切り取っていきます。
何度か繰り返し穴を広げていきます。
同じ要領で位置をずらして掘り込みます。
5㎜残したところまで落とします。
細いノミを使ってアリの角度のついた部分を切り取ります。
毛引きと白引きの墨通りにさらっていきます。
胴付部分も墨通り直角にノミで落とします。
同じ要領で全ての彫り込みを行います。
次に木端のトメ部に胴付鋸で切り込みを入れます。
45度定規は治具として製作しておきましょう。
対面側も下画像のように切り込みを入れて不要な部分を取り除きます。
あぜびき鋸を使って外から5㎜の位置に切り込みを入れます。
ノミで不要な部分を取り除きます。
先端部のトメを削る鉋を用意します。
市販ではなかなか手に入らないので溝鉋の両サイドに45度にカットした樫材を接着して攻め鉋を作ります。
削りすぎないように注意しながら先端トメ部を削り込んでいきます。
両側が削り終わりました。
では仮組みしてみます。
叩いて入るようならそのまま組んでみましょう。
きついようならノミでアリ部を削り取り微調整しながら組手を整えます。
叩き込んでトメ部に隙間が無いか確認します。
問題なければ、いったんばらして接着剤をつけて組み立てたら完成です。
ありがとうございます!
よろしくお願いします
初めまして、コメントありがとうございます。
蟻組みですね、分かりました、次の記事に載せたいと思います。
分かりやすいです
これで蟻組だけを知りたいのですが、お暇な時載せてほしいです