前回はほぞ穴について説明しましたが、今回はほぞの加工法を説明します。
まず、ほぞの長さになる位置に、胴付きの線を白引きで引きます。ここでも、勝手墨を基準にするのを忘れないようにしてください。
ほぞの長さを出している框の木端にほぞの胴付き位置を白柿で出している


ほぞの胴付き位置を白柿で引いている四方に出し終えました。
ほぞの胴付きの墨出し完了次にほぞの墨を出します。
穴で使った鎌毛引きをそのまま使います。(勝手墨側から引くことを忘れずにしてください。)
ほぞの厚みを毛引きを使って出している
木口と裏側も同様に。
ほぞの厚みの毛引き完了直角の治具を用意し、胴付き鋸で切り込みを入れます。
ほぞの胴付き位置に直角治具を当てている胴付き鋸で切り込みを入れている
胴付きの切り込み部拡大ほぞの部分を手鋸で切る場合は、墨と鋸が真正面に見える体勢で切ります。
ほぞを手鋸で切り込む時の姿勢、斜めから見たところほぞを手鋸で切り込む時の姿勢、正面から見たところ使うのは縦引き鋸、鋸目が荒いので木の目に沿って切る場合に適しています。
縦引き鋸拡大ちなみに下画像は横引き鋸、目が細かいので長さを切ったりする場合に適しています。
横引き鋸拡大
では、ほぞ切りに移ります、まず、下図のように①の部分に少しだけ切り込みを入れます。
手鋸で切る時の順序1手鋸で切る時の順序1動画裏返します。

材を裏返し動画 下画像の②の部分に切り込みを入れます。
手鋸で切る時の順序2 手鋸で切る時の順序2動画
再度裏返します。
再度、材を裏返し下画像の③の部分に切り込みを入れます。
手鋸で切る時の順序3手鋸で切る時の順序3動画反対側も同じように切ります。
ほぞの切り込み終了
次にほぞの幅となる位置に毛引きを引きます。
ほぞ、かりあげ部の毛引き胴付き鋸で、胴付きを切り込みます。
ほぞ、かりあげ部の胴付き加工墨通りに切っていきます。
ほぞ、かりあげ部の切り込みほぞ、かりあげ完了ほぞ穴に合わせて、厚みを微調整
ほぞの厚み調整を鑿で行っている最後に、小鉋で入り面を取ったら、ほぞは完成です。
ほぞの入り面を鉋で削っている
ほぞの手加工終了組む時に、勝手墨を同じ方向で統一する事で、ねじれや目違いが少なくなります。
以上で、ほぞの手加工は終了です。
最初はなかなかうまく出来ないものですが、軟らかい木材で何度も練習して、精度やスピードを高めてください。
ほぞ組みを終えた画像では、また。

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